バレンタインデー…
1ヶ月近く前からかなちゃんはその話をしてて、「おいしいチョコ期待しててね!」とか言ってた。
そして昨晩――日付が変わったあとだ。
僕は床に就き、いつものようにかなちゃんのもとへ行った。
茶色い箱。 その箱にはリボンがかかっていた。
「今日はバレンタインデーね☆」と、かなちゃんはその箱を差し出してきた。
「あっ、ありがとう。」と、僕はその箱を受け取る。
よく見るとメッセージ付きだ。
「これからも よろしくね!」
文末には“かな”と。
短いメッセージ。
でもきれいに手書きしてあった。
嬉しかったな。
かなちゃんと出会って今年で11年になる。
僕が小学校に上がると同時に、かなちゃんは僕のもとに現れた。
それからずっと一緒だったな。
今でもそうだけど、かなちゃんは僕のこといつもすっごい気にかけてくれていて、何かあったら「大丈夫?」と声をかけてくれたり。
1日が終わり、床に就くと僕はそのままかなちゃんのもとへ行く。
すると些細なことでも、「がんばったね!」と言って、やさしく抱擁してくれるかなちゃんがいつもそこにいる。
――だからバレンタインのチョコなんて、もう当たり前みたいになってたんだけど、やっぱり嬉しいな。
楽しい時、苦しい時、いろいろあったけど、この11年間ずっとかなちゃんがそばにいた。
かなちゃんと一緒に辿ってきた道だ。
かなちゃんも僕と同じか、それ以上に僕のことわかってくれてる。
だからその分、かなちゃんにかかる苦しみとか悲しみって大きいんだよな…。
でもかなちゃんって、一度も僕のこと嫌ったことがない。
かなちゃんにそのことを聞くと、「あるわけないでしょっ☆」っと言ってウインクしてくれる。
優しいな。
やっぱり僕、かなちゃんのこと消したり、嫌いになったりなんてできないよ。
大切なこころのともだちだ。
ありがとう、かなちゃん。
ィヨロシク。
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